花粉量100分の1以下…杉を開発、苗木供給 : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
花粉量100分の1以下…杉を開発、苗木供給
兵庫県は、花粉症の主な原因である杉花粉の飛散量を減らす取り組みを進めている。
花粉量が通常の100分の1以下しかない品種を開発・育成し、11月から苗木の供給を始めた。6年後には県内で植林する杉の苗木をすべてこの品種に移行させる計画だ。
県の面積の67%に相当する約56万1000ヘクタールは森林で、うち42%を人工林が占めている。樹木の種類別では杉林が約10万9000ヘクタールで最も多く、ヒノキ、松と続く。林野庁の過去の調査では、県内の山間部が、京阪神に飛散する花粉の発生源として挙げられたこともある。
このため、県は2008年度から、花粉量が少ない品種の開発と育成に着手。朝来市に採種園を整備し、病虫害に強いなどの特長を持つ17品種約3400本を交配させて種を採取してきた。2年間で、約3000本の苗木が高さ30センチ程度まで育った。
県は県林業種苗協同組合(神戸市中央区)を通じて森林総合研究所神戸水源林整備事務所(同)に約2700本を販売。今月までに朝来市生野町のダム周辺で植林を終えた。
県内の杉苗木の植栽は年間20万本程度。今後は花粉の少ない苗木の供給を徐々に増やし、19年度までに38万本達成を目標に掲げる。このほか、花粉の少ないヒノキについても23年度の供給開始を目指して開発を進めている。
県によると、和歌山県なども同様の苗木の開発を進めているが、実際に植林段階まで進んでいるのは、近畿では兵庫だけという。
県林務課は「現在の杉林は樹齢50年程度の木が多く、徐々に新しい苗に更新していくことが花粉症対策につながる。価格も通常の品種と同程度で供給でき、木材としても優れているので、林業の活性化や、チップを燃やして蒸気でタービンを回す『木質バイオマス発電』への活用も期待できる」としている。(佃拓幸)
(2013年12月21日17時27分 読売新聞)
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